スティーブジョブスがデジタル機器を使って どんな教育をしたかったのか?
学校に一人一台 iPad が配備されるようになりました。運用が軌道に乗っている学校、今その準備段階に入ろうとしている学校、先生たちが試行錯誤しながらgigaスクールを進めていらしゃるかと思います。
私自身も子どもとデジタル機器との関係をどう考えていけばいいのか、子どもが生まれた時からずっと悩んでいます。
もうすぐ卒業する小学校6年生の娘は2009年生まれ、 iPhone が誕生したのが2007年。彼女が生まれた時から身の回りに iPhone がありました。
1979年以降に生まれた人たちのことをデジタルネイティブというそうですね。
Z 世代、 ミレニアム世代など「○○世代」と ある年代をひとまとめにして表現することがあります。
それはきっとその世代によって 「ニーズ」が違っているからなんだと思います。
親の世代と子の世代。
これだけ社会の変化のスピードが早まる中、学校では何を教えるべきなのか。
文科省が定めたもの⁉️はありますが、それに加えて、子どもたちはその世代に「ふさわしいもの」を(この表現が適切かどうか…)身につけて行く必要があるかとも思います。だから先生たちはすごいスピードでブラッシュアップしていかなきゃいけない、そんな時代になっている気がします。
そんなことを、Appleのデジタル教育を通して教えてくださる本がこちら。
アップルの教育部門の初代バイスプレジデントのジョンカウチさんという方が書いた本です。
アップルがipadやMac,iPhoneなどのデジタル機器を使ってどんな授業したらいいのか、そのアイデア等が満載!といった内容が書かれているのかと思いきや…
思いっきり「教育とは何ぞや?」という切り口で書かれています。
要約まではいきませんが、こんなことが書いてあったなあと、まとめてみました。
人っていうものは、モチベーションを抱いたら?
誰にも止めることはできない。
好きなものを選び取り
その好きなものが現実のものとなるように
もっと上手になりたい、もっと知りたいと、どんどん意欲が湧いてくる。
そうしたら学びが自走する。加速する。
教育がめざすべきは、子供に自分の好きを理解させること。
大人はその手助けをする。
子どもは自分に関係があることだ、これは学ぶ必要がある、これを学ぶと 好きなことがもっと上手になれるんだと感じると、もう止められない。
ただ一人一人の「好き」は違う。
だからこそ、今の教育に不足している「パーソナライズ化」をもっと許容していくべきだ。
じゃあ、パーソナライズ化したらそれでオールオッケー?
そんなことはない。
誰かと一緒に学ぶことで学習効果が上がることが脳科学で証明されている。
社会に出たら人間関係なしに仕事や生活を送ることは困難であり、そのためにも脳は人間関係の勉強をしておかなばならい。
個別化と協働化。どちらも必要。
リアリティと実践が今の教育には足りないかも⁉️
今の教育には、リアリティが足りない。
TV番組などでリアリティ番組がものすごく流行っている。
近所にいそうな人が主役になるリアリティ番組。
その背景には自分を認めてほしい、自分も主役にしてほしいという人間の心があるのだろう。
実践から学ぶことも少ない。
ipadには説明書がない。経験を通して使い方を学ぶ。なぜって単純にそれが楽しいから。
リアリティと実践のある授業とは?
例えば「エンジンを作ろう」という授業があるとする。
〇エンジンを作ります。それに必要な道具は、例えばねじとスパナ。ねじというのは部品と部品をつなぎとめるものであり、構造は…
と続くだろう。
リアリティと実践を交えた授業では
〇エンジンを作ります。これがエンジンです。では一度解体をしてもう一度組み立ててみましょう。まず必要なものは?そう、このスパナです。スパナをどう使ったらいいかな?やってみましょう…。
(楽しそう。)
DIYがはやっている。
マインクラフトも流行っている。マイクラはよく見るとひたすら何かを作っているゲーム。
人は作ることが楽しい。
こうしたリアリティや実践がふんだんに盛り込まれた授業などで何かを伝えたり教えたりするには、こども対大人の比率は「1対1」が理想であるかもしれない。
しかし、現実には難しい。そこで…
テクノロジーを利用しよう。
ポイントは授業で取り扱うテーマと子どもに、関係を持たせること。
高校での「ロミオとジュリエット」の授業。
過去の映画を2本を見比べてどう思ったか、
挙手ではなく、
ノートに書いて意思表示するのではなく、
「どう思ったか、Twitterに投稿して」
(なんだそれ!高校生が飛びつくこと間違いなし。)
まとめ
最後のほうにいくつかデジタル機器を使ったリアリティと実践などについて、活用を紹介してくださっています。特にARは興味深いものがありました。
この先、学校の先生の役割は?学校はどんな場所になるのか?
カウチさんは
「持って生まれた力を自覚する手助けをするのが教師の役割」
とまとめていらっしゃいます。
私も自分がどんな力を持って生まれてきたのか、どんなことが好きなのか、50歳近くになる今も、よくわかりません。
でも好きなこと、得意なことが見つかると、確かに娘たちの心の動きが急変し、止められない姿が時々見られます。
教師という仕事、大変かと思いますが、
なんてロマンがあるんだろう。
スティーブジョブスは「テクノロジーは思考にとって自転車になる」と言っていたそうです。
ヒトの脳は太古の昔から大きくは変わっていないそうです。
となると、「好きになることを見つけると、止まらない」脳もそんなにこの後もかわらない。
じゃあ、好きになることを見つけたら、そこからは自転車に乗って進んでいけばいい。
その「好き」見つけること、それが教師の仕事だとするならば、テクノロジーとの付き合い方、人と人との協働活動、いろんなパターンの授業が考えられるかも。
テクノロジーのアイデアをたくさん持った先生と子どもの心を柔らかく包んで安心感を与えてくれる先生。いろんな先生が学校にいてくださったら、なんだか今以上に楽しい場所になるかも。
個別化と協働化。
好きを見つける。
リアリティと実践。
キーワードがいっぱい。
でもね、偉そうに書いてしまいまいましたが、こんなことを書く前に…自分が我が子の「好き」を見つめなきゃ🤣。